歯の土台の
治療(コア)とは
大きなむし歯や歯の破折、再治療などにより、歯に十分な量の歯質が残っていない場合には、人工の土台(コア)で歯を補強する必要があります。
歯質があまり残っていない歯に被せ物(差し歯)をつけても、すぐに取れたり、残っている歯が割れたりしてしまうからです。
歯の土台(コア)には、主にファイバーコア(ファイバーポストコア)、レジンコア、ゴールドコア、メタルコア(銀合金)があります。
歯の土台(コア)は目立たない部分ですが、とても重要な治療です。どのような素材の土台(コア)を使うかによって、その歯に将来起きるかもしれないトラブルの発生率や歯の寿命が変わります。
歯の土台(コア)は、家に例えるならば基礎や柱に当たる部分で、家は基礎や柱がしっかりしていなければどんなに見栄えのよい家でも長持ちしません。さらに万一の大地震にも耐えられてこそ、安心して住めるのではないでしょうか。建築においては、これまで基礎や柱を硬く丈夫にすることで耐震性を高めてきましたが、最近では力を吸収分散する免震構造により地震から家を守るという新しい方法が取り入れられています。
これは歯の土台(コア)についても同じことがいえます。被せ物(差し歯)がきれいで長持ちするものでも、その下の土台(コア)や歯の根に問題が起きれば、抜歯や歯全体の再治療が必要になります。
歯には、食事の時や歯ぎしり・食いしばりの時など毎日いろいろな方向から強い力がかかっています。一般的に使用されている金属の土台(メタルコア)は丈夫ですが硬すぎるため、十分な歯質が残っていない歯では、強い力がかかった時に歯が割れてしまうことがあります(歯根破折について)。このような場合、歯の保存が難しい割れ方(縦破折)をすることが多いため、抜歯になる可能性が高くなります。
歯質の少ない歯には、硬さやしなり具合が歯と似ているファイバーコアを使用することで、歯が受け止める力を分散して破折などのリスクを減らすことができます。当院では、歯の土台(コア)はファイバーコアが適切な方法であり、将来的に歯を守ることに繋がると考えております。