MTA:歯髄保存療法

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豊富な矯正経験のある五十嵐歯科室

MTA 歯髄保存療法 MTA

年間矯正症例
150~400
インビザライン・
ダイヤモンド

インビザライン・ファカルティ(公認指導医)

※院長はインビザライン社から直接依頼を受け、インビザライン治療を提供している歯科医師に、診療の助言や情報提供を行う講師(ファカルティ)です。

インビザライン・ファカルティ
(公認指導医)

※院長はインビザライン社から直接依頼を受け、
インビザライン治療を提供している歯科医師に、
診療指導や講演を行う歯科医師です。

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歯髄を守る意味とは?

歯髄は、歯の最も内部にある神経や血管がある部分で、歯に加わる様々な刺激を感知してむし歯などから歯を守る機能があります。

歯髄は、感覚機能だけでなく、防御壁となる第二象牙質(デンチンブリッジ)の形成や、むし歯菌に抵抗する免疫細胞などの防御機能があります。

「歯髄を守る」、「歯の神経を残す」理由としては、歯髄の有無が歯の寿命に大きくかかわるからです。

歯を失う原因には、歯周病やむし歯、外傷などもありますが、最多の原因は、歯根破折であり、喪失歯の約6割を占めるといわれています。

この歯根破折を生じた歯のほとんどは神経のない歯(失活歯)であり、過去にむし歯などが原因で神経を取る処置(抜髄処置)がされています。抜髄処置や根管治療をされた失活歯は、歯質が健全歯と比べて大きく失われているため、歯根破折のリスクが高く、相対的に歯を失うリスクも高くなります。

また、歯を失う2番目の原因である歯の根の病気(根尖病巣/根尖性歯周炎)も、抜髄処置や根管治療をされた失活歯で生じる問題です。1番目の原因である歯根破折と合わせると、喪失歯の7割以上が神経のない歯であり、歯を失わないためには歯髄を守ることが重要であるといえます。

神経を守るMTA覆髄治療(歯髄保存治療)

歯髄近くまで進行した重度のむし歯では、刺激により歯髄が炎症を起こしやすいため、歯髄を保護する処置(覆髄処置/覆罩処置)が必要になります。

特にむし歯の除去時に神経(歯髄)が露出した場合は、通常、水酸化カルシウムによる直接覆髄法により歯髄の保護・温存を試みますが、成功率はそれほど高くないため結果的に神経を取る処置(抜髄処置)が必要になることも多くありました。

MTA覆髄治療(歯髄保存治療)は、ケイ酸カルシウムを主成分としたMTAによる覆髄治療であり、従来の水酸化カルシウムセメントによる治療と比べて、高い確率で神経を残すこと(歯髄保存)ができます。

MTA覆髄治療では、最適な覆髄材を使用するだけでなく、むし歯の除去方法などの治療過程がとても重要になります。

歯髄に近接した深いむし歯の治療となるため、歯髄に刺激を与えないようにむし歯を取り除いていくことが必要になります。

※ 現在、当院では、MTA覆髄治療の新規初診予約は中止しております。

当院では、一般的な高速ドリル(タービン)ではなく、低速ドリルや手用器具(エキスカベータ―)などを使い、むし歯を少しずつ慎重に取り除いていきます。治療前に確実な麻酔を行いますので、痛みが苦手な方もご安心下さい。

また健全歯質は削らずにむし歯だけを確実に取り除くために、拡大スコープや専用ライトを使用して、う蝕検知液でむし歯だけを染めて除去します。ラバーダム防湿で治療部位を隔離して、露出した歯髄の感染を防止し、MTAによる適切な覆髄処置(歯髄保存治療)を行います。

「神経を守る」「神経を残す」MTA覆髄治療は、非感染歯髄であるなど適応症が限られているものの、歯の寿命を延ばすことのできる「MI治療」(最小限の侵襲治療:ミニマル・インターベンション)といえます。

MTAとは?

MTAセメント(プロルートMTA)は、1993年に米国ロマリンダ大学のDr.Mahmoud Torabinejadらにより根管穿孔部位を封鎖する材料として開発され、1998年以降に欧米各国で、2007年に日本で発売が開始されて以来、多数の症例に使用されて高い臨床評価が得られています。

ケイ酸カルシウムを主成分とするMTA(Mineral Trioxide Aggregate)は、生体親和性や封鎖性、石灰化促進作用、デンティンブリッジ形成能、細胞反応活性化促進作用、抗菌性に優れた革新的な材料です。

当院のMTA覆髄治療では、プロルートMTA(Pro Root MTA)など複数の材料を症例に合わせて選択しています。

MTA覆髄治療(歯髄保存治療)の流れ

治療例

主訴 歯が痛い
治療方法 むし歯治療&MTA覆髄治療
治療期間 約1週間

リスク MTA覆髄治療は適応症が限られています。歯の状態によっては、歯髄保存治療後に歯髄の炎症等により抜髄処置が必要になる場合があります。
費用 約2万円
  1. X線検査で、金属の詰め物の下にむし歯が深く広がってることが確認されたため、金属を取り除き、むし歯の部分を染色しました。青黒い部分がむし歯です。
  2. 麻酔後にむし歯を少しずつ慎重に取り除いていきます。歯髄の一部露出(露髄)が想定されたため、歯髄を感染させないようにむし歯を完全に取り除き、洗浄・消毒を行いました。赤丸部分に歯髄の一部露出が確認できます。
  3. 消毒後、MTAセメントで慎重に歯髄の露出部の封鎖(直接覆髄)、歯髄近接部の被覆(間接覆髄)を行い、レジンで周囲を補強しました。
  4. 経過観察後、セラミックインレーで自然な歯の形態に改善しました。

MTA覆髄治療の特長&メリット

歯髄を保存できる可能性がある

MTAによる覆髄処置により、通常であれば神経を取るケースでも神経を残せる可能性があります。

歯の切削を最小限に
抑えることができる

抜髄処置(根管治療)を回避できることにより、歯を削る量を最小限に抑えることができます。

歯の寿命が延びる可能性がある

歯髄の保存により、歯の主要な喪失原因である失活歯の歯根破折や根尖病巣を回避し、歯の寿命を延ばせる可能性があります。

生涯でかかる治療費用を抑制できる

歯髄の保存により、抜髄処置(根管治療)の費用、ファイバーコア等の土台の費用、セラミッククラウン等の高額な被せ物の費用がかかりません。

¥22,000(税込)

失活歯では、経年的に根尖病巣の出現による再根管治療や被せ物の再製作が必要になることも多く、また、歯根破折等に起因する抜歯により、ブリッジやインプラント、義歯などの新たな治療が必要になる場合もあります。MTAにより歯髄保存が可能であれば、生涯にわたり発生する可能性のあるこれらの治療費用を抑制することができます。

治療上の注意点

適応症が限られている

MTAによる覆髄処置は、非感染生活歯髄(C2:う蝕症第二度)が適応症です。

何もしなくてもズキズキ痛む(自発痛がある)、温かいもので痛むなどの炎症歯髄や感染歯髄(C3:う蝕症第三度)は、非適応症となります。

冷たいもので少ししみるむし歯は適応症となる可能性がありますが、MTA治療の可否はむし歯の状態を直接確認して判断する必要があります。

歯髄を保存できない場合がある

MTAによる覆髄処置は、従来より高い確率で歯髄を保存できる治療法ですが、歯の状態によっては、歯髄保存治療後に歯髄の炎症等により抜髄処置が必要になる場合があります。

MTA治療の予後については、それぞれのケースで診断時や治療時の歯の状態確認後により具体的にご説明しています。

治療直後は歯がしみる場合がある

MTA覆髄治療の直後は、むし歯除去時の刺激や覆髄処置の刺激により、一時的に歯が過敏になり、冷たいものなどでしみたり痛む場合があります。

歯髄の回復に伴い、通常これらの症状は軽減・消失していきます。

担当医の技術や診断が重要である

担当医のむし歯の除去方法や診断が治療結果に影響します。

当ホームページの内容を無断転載している医院がみられますが、同じ治療結果が保障されるとは限りません。

保険適用外の治療である

MTA覆髄治療(歯髄保存治療)は、保険適用外の治療です。

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